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霹靂系列紹介

過渡期霹靂系列

 霹靂と冠されるシリーズは1985年にお目見えした。既テレビ放映分を再編集して世に出された第一部『霹靂城』がVHSとして出回った最初の"霹靂"シリーズである。後続は『霹靂神兵』、『霹靂金榜』、『霹靂震九霄』、『霹靂戰將』で、合計五シリーズ。
現在一般的に『霹靂シリーズ』と総称されるのは、代表的キャラクターである清香白蓮素還真が登場した第六部『霹靂金光』からとなる。(詳細は『布袋戲の変遷参照~布袋戲新時代:史艶文から霹靂へ~』および『霹靂布袋戲~金光からの過渡期~』参照) このあたりの話には、史艷文系のキャラクターが登場しており、蔵鏡人や獨眼龍などが活躍しているようだ。

霹靂の派生版

 テレビシリーズの本編だけにとどまらず、その他にも映画や舞台劇も制作された。又以前は春節(旧正月)に特別番組(ギャグ♪)を特別に制作して放映していた。このギャグ版、制作者たちの遊び心が楽しかったのだが、今は制作されておらずいささか残念。

シリーズについての前置き

 霹靂シリーズは多数のシリーズ名がついているが、実は明確に区切られているわけではない。前のシリーズをそのまま引継いで話が展開している。(これは金光シリーズも同じ。) シリーズの最終話だからといって特にけじめが付くわけではない。それどころか、全く何も変わらないただの続きになっている。このあたりは慣れていないと面食らうかもしれないが、もともとそういう作りなので、何処からでも見られると思って気にせず見てもらいたい。
霹靂シリーズのランダムイメージ1 霹靂シリーズのランダムイメージ2

主観的霹靂紹介

 中原武林世界における善と悪の戦いと覇権争い。と、思いきや、はっきり言い切れるほど善悪がはっきりしていない(笑)。個性的な作りの人形が所狭しと活躍する。剣戟あり、裏切りあり、陰謀有りロマンス有りの波瀾万丈、方術・魔術・妖術これでもか!と駆使した武侠物語。中原への侵攻を企てる他の勢力との争いがメインであるが、善悪どころか敵味方も明確でない事が多い。宇宙人・吸血鬼は言うに及ばず、異世界も異次元もなんでもありの侵略者達。何が出てきても驚かない、それが霹靂である。
 そして人形劇と馬鹿にする無かれ、大根役者のベタな演技よりも遥かに情感豊かに演じられているのだ。木偶人形がこれほど感情豊かに演技できるとは思いもよらなかった、というのが初めて見た時の感想である。当時は木偶自体の動きも特筆に値した。生き生きと動く木偶達が繰り広げるドラマ、破綻はあるが十分楽しめる。
木偶自体の動きとそれぞれのドラマを楽しむなら昔のシリーズ、派手な特殊効果と綺麗な木偶を楽しむなら最近のシリーズがお勧め。
ちょっと碎碎念
 この霹靂シリーズ、登場するキャラクターの入れ替わりが激しく、主役級かな?と思ってもあっさり死亡してしまう。以前からその傾向はあったが、昨今は新しいキャラクターを過剰投入する傾向が見られ、名前を覚える間も無く殺されて消えていく。既にメインのキャラクターさえ覚え切れない今日この頃である…最近はストーリー作りに粗雑な傾向が見受けられるのが大変残念。不死系といわれるキャラクター以外を気に入ったら、ほぼ必ず終わりがくるので最初から覚悟したほうが良い。
因みに、霹靂の不死系は本当に不死である。一度死んでもそのうち生き返るのでファンにとっては有難い(本当か?!) 誰が不死系か…それはシリーズを見てからのお楽しみと言うことで。
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シリーズ一覧表はこちら 『霹靂系列一覧』

 霹靂舞台劇~狼城疑雲