電視布袋戲木偶~操偶について~
演技する木偶
台湾布袋戲の真髄は木偶と一心同体になった操偶師の演技と、熟練した口白師の台詞だ。木偶を動かすことを「操偶」と言い、操偶されることで木偶は本来の輝きをみせる。造型的に今ひとつの木偶であっても、熟練した操偶師が操るとあ~ら不思議、とても格好良く生き生きと見えてくる。電視布袋戲の撮影で木偶を操作している操偶師は、長い経験をつんで熟練した達人で、経験の浅い操偶師には木偶の操作は任せてもらえない。 テレビ等の映像ではCG効果なども入っているので今ひとつ実感が湧かないかもしれないが、操偶師の操る木偶は全く印象が違うので、機会があれば是非実際の操偶を見て欲しい。
写真1 水中撮影シーン:聖石傳説より
写真2 劇集撮影シーン:金光布袋戲-幕後比較紅之操偶師篇より
木偶の持ち方
図1に木偶の持ち方を示す。右手で木偶の頭と右腕を操作する。右手の人差し指を木偶の頭に入れ、親指で首の下を支える。口のしかけを動かすのはこの頭の中に差込んだ人差し指だ。 残りの三本は、木偶の右腕を受け持つ。右腕についている輪の部分に薬指を入れ、中指と小指で支える。 写真を見ただけではわからないが、この木偶の右手だけでもそこそこ重いので、素人にはなかなか動かせない。
左手は、木偶の左手についている天地同(棒)を握る。そして首から出ている眼の開閉用の紐を左手で持つ。左腕全体で動かせるので、多少重くともそこそこ自在に動かせる。木偶の左手は右手に比べてよく動いているのが映像でも分かると思うが、これが『木偶は左利き』の理由である。
図1 木偶の持ち方
写真3 右手のもち方
三昧堂 2015年飯田人形フェスタでの操偶実演
写真4 左手の持ち方
2009台灣布袋戲文化藝術展–霹靂藝想世界(2月5日~22日)@台北新光三越信義新天地。操偶師:丁振清
以前霹靂から発売した18寸小型木偶に付録で付いていたVCDの基礎編と上級編。基本的な持ち方や動かし方を映像で分かりやすく解説している。中国語だが、映像だけでも理解できるのでお勧め。